Blog記事一覧 > 3月, 2025 - KAIFUKU in 大 〜足と姿勢、自律神経の総合整体院の記事一覧
よく私は、患者様に対して
「○○の動きが悪いですね。○○のエクササイズをしましょう」
といった形でアドバイスをします。
基本的な考え方として、「動きの悪さ」を改善することは、痛みや不調の改善、健康維持において非常に有効です。可動域を広げることで筋肉や関節の負担を軽減できたり、血流やリンパの循環がよくなるなど、全身への良い影響が期待できます。
しかし一方で、「その動きの悪さは、必ずしも“直すべきもの”なのか?」という視点も同時に持つことが大切だと感じています。
整体師として現場に立ってきた中で、動きの悪さにも「すぐに改善すべきもの」と「一旦は許容していいもの」、「受け入れて他で代償すべきもの」があると実感しているからです。次にいくつかの例を挙げてみたいと思います。
柔軟性には“才能”や“限界”がある
以前、プロのキックボクサーの方を施術させていただいたことがありました。
その方は「股関節が硬く、キックが苦手。可動域を広げたい」とご相談くださいました。
確かにキック動作において股関節の柔軟性は重要です。
しかしその方の体を診てみると、股関節の骨格の形状や、筋肉の質そのものが非常に硬く、いわゆる「生まれつきの硬さ」とも言えるものでした。どれだけストレッチや施術をしても、可動域の変化は非常に限られており、「これ以上の柔軟性向上は難しい」と判断せざるを得ませんでした。
この経験から私は、「柔軟性にも持って生まれた“才能”や“限界”がある」ということを強く実感しています。
すべての人がヨガインストラクターのような柔らかさを目指す必要はありません。必要以上に柔らかさを追い求めることが、逆に身体を壊すリスクにもなり得るのです。
「うつ状態」で動きが悪い時に、無理は禁物
心の状態も、身体の動きに大きく関係しています。
うつ症状のある方は、気持ちだけでなく、身体の反応そのものが鈍く、重くなってしまうことがあります。筋力や柔軟性の問題ではなく、神経やホルモンの状態によって「動けない」「動きたくない」と感じてしまうのです。
このような状態で無理に体を動かそうとすると、かえって心の負担が増してしまい、逆効果になることもあります。
「動けない時期」は、心と体が「一度休みたい」とサインを出しているとも言えます。
そのサインを無視して、「とにかく動かそう」「改善させよう」とすると、かえって悪化してしまう可能性があるのです。
整体では、体の状態を見ると同時に、最も効率的に身体が回復するプロセスを見極める必要があります。
組織の線維化によって、動きが制限されているケース
身体を長年酷使してきた場合や、同じ動作を繰り返し続けた場合、筋肉や腱、関節まわりの組織が「線維化」してしまうことがあります。
これは、コラーゲン繊維が過剰に蓄積され、組織がゴワゴワと硬くなる現象で、一種の“老化”とも言えます。
このような場合、無理に伸ばしたり動かそうとすると、さらに線維化が進んで逆効果になることがあります。
また、炎症を引き起こして痛みが強くなることもあります。
「動かせば動くほど良くなる」という考えが通用しないパターンもあり、段階的にアプローチしていく必要があります。
筋膜リリースや血流改善など、間接的なアプローチから始めることも大切です。
内臓疾患や自己免疫疾患による影響
内臓の不調は、見た目にはわかりづらいですが、筋肉や関節の状態に影響を与えることがあります。
たとえば、腎臓や肝臓が弱っていると、腰まわりや背中に硬さや痛みとして現れることがあります。
また、自己免疫疾患(例:関節リウマチ、膠原病など)によって、関節や神経そのものが炎症を起こしているケースでは、そもそも「動かせば改善する」というフェーズではないこともあります。
このような背景を持つ場合、病気の背景をしっかりと分析し、根本的な問題にアプローチすることでしか、回復させることができません。
「動きの悪さ」は許容すべき時期・状態もある
「動きが悪い=すぐに直さなければいけない」というわけではありません。
むしろ、「身体の動きにくさ=身体が動きを嫌がっている」と考え、嫌がる理由を取り除いてあげると、自然と痛みや不調から解放され、気が付けば動くようになっていたということがよくあります。
「動かせば改善する」という発想の前に、「その動きの悪さには、どんな背景があるのか?」をしっかり見極めること。
これが、身体を良くしていくために最も大切な考え方だと思っています。
結局「歪み」って何なのか?
私は臨床の現場でにおいて「〇〇さん、歪んでいますねー」と患者様に伝えることがよくあります。すると、私は“歪みがわかる特別な存在”として患者様に認識されることになります。実際に歪みがあるのであれば、それを伝えることは間違いだとは思っていません。ただ、整体を医療の一環として考えるならば、そこで生まれる権威性を誤った形で利用することは避けるべきです。一方で、整体をサービス業と捉えるならば、この点はそれほど問題にはならないでしょう。
月日が流れ、気がつけば20年。
整体業界と患者様が抱える歪みについての捉え方の差を埋めるきっかけになればと、この機会に改めて整理し、言葉にしてみようと思います!
1. 歪みの原因は? 先天的か?後天的か?
まず、歪みの原因は大きく二つに分類できます。
- 先天的なもの(生まれつきの骨格の特徴)
- 後天的なもの(生活習慣や姿勢の癖による影響)
ここで考えることは、先天的なもので進行性のあるものなのか、どの程度のケアが適切になるのかということです。また、後天的な歪みは「筋肉のアンバランス」によるものなのか、「骨の変形」を伴うのかが重要になってきます。筋肉のバランスの問題なら調整が可能ですが、骨に変形がある場合は長期的なケアやインソールやトレーニングが必要になります。
2. 歪みはどこから始まるのか?
歪みがどの部位から発生しているかによって、体への影響は大きく変わります。
- 足首:偏平足や回内足(オーバープロネーション)
- 膝:X脚やO脚
- 股関節:内またやがに股
- 腰:反り腰や骨盤の後傾
- 背骨:側弯症など
身体の歪みは下から上へ、上から下へ、そしてどこかでぶつかり合い、その部分において影響が出ることが多くあります。上から治すのか、下から治すのか、正しく評価することが大切です。
3. その歪み、本当に痛みと関係している?
「歪みがあるから痛みが出る」とは限りません。他にも考慮すべき要因があります。
例えば、
- 内臓のコンディションが悪いと歪みが生じる → 一般の方には馴染みがないかもしれませんが、内臓の状態が姿勢や筋肉の緊張に影響を与えることは珍しくありません。
- ストレスや自律神経の乱れが歪みに関与する → 精神的なストレスが筋肉の緊張を引き起こし、姿勢に影響を与えることがあります。
中から治すのか、外から治すのか、ですね。
4. 歪みは治すべき?
歪みを整えることが必要なケースもあれば、必ずしも優先すべきでないケースもあります。
- 美容・見た目の観点 → 歪みを整えることで姿勢が良くなり、見た目が改善する
- 慢性的な痛みがある場合 → 歪みよりも、痛みの本当の原因(筋肉・神経・内臓・ストレスなど)を考えることも重要
人によって健康のレベルが異なるため、歪みの影響も個々で違うことを考慮しながら施術を組み立てる必要があります。
「ただ歪みを治す」のではなく、「本当に必要なケア」を患者様のニーズに合わせて提供する。
私が日々大切にしている考えになります。
皆さんも、自分の体の状態を見つめ直し、長期的な健康維持のために何が最適かを探してみてください!
KAIFUKU in 大 ~足、姿勢と自律神経の夙川総合整体院~