Blog記事一覧 > 3月, 2025 - KAIFUKU in 大 〜足と姿勢、自律神経の総合整体院の記事一覧
結局「歪み」って何なのか?
私は臨床の現場でにおいて「〇〇さん、歪んでいますねー」と患者様に伝えることがよくあります。すると、私は“歪みがわかる特別な存在”として患者様に認識されることになります。実際に歪みがあるのであれば、それを伝えることは間違いだとは思っていません。ただ、整体を医療の一環として考えるならば、そこで生まれる権威性を誤った形で利用することは避けるべきです。一方で、整体をサービス業と捉えるならば、この点はそれほど問題にはならないでしょう。
月日が流れ、気がつけば20年。
整体業界と患者様が抱える歪みについての捉え方の差を埋めるきっかけになればと、この機会に改めて整理し、言葉にしてみようと思います!
1. 歪みの原因は? 先天的か?後天的か?
まず、歪みの原因は大きく二つに分類できます。
- 先天的なもの(生まれつきの骨格の特徴)
- 後天的なもの(生活習慣や姿勢の癖による影響)
ここで考えることは、先天的なもので進行性のあるものなのか、どの程度のケアが適切になるのかということです。また、後天的な歪みは「筋肉のアンバランス」によるものなのか、「骨の変形」を伴うのかが重要になってきます。筋肉のバランスの問題なら調整が可能ですが、骨に変形がある場合は長期的なケアやインソールやトレーニングが必要になります。
2. 歪みはどこから始まるのか?
歪みがどの部位から発生しているかによって、体への影響は大きく変わります。
- 足首:偏平足や回内足(オーバープロネーション)
- 膝:X脚やO脚
- 股関節:内またやがに股
- 腰:反り腰や骨盤の後傾
- 背骨:側弯症など
身体の歪みは下から上へ、上から下へ、そしてどこかでぶつかり合い、その部分において影響が出ることが多くあります。上から治すのか、下から治すのか、正しく評価することが大切です。
3. その歪み、本当に痛みと関係している?
「歪みがあるから痛みが出る」とは限りません。他にも考慮すべき要因があります。
例えば、
- 内臓のコンディションが悪いと歪みが生じる → 一般の方には馴染みがないかもしれませんが、内臓の状態が姿勢や筋肉の緊張に影響を与えることは珍しくありません。
- ストレスや自律神経の乱れが歪みに関与する → 精神的なストレスが筋肉の緊張を引き起こし、姿勢に影響を与えることがあります。
中から治すのか、外から治すのか、ですね。
4. 歪みは治すべき?
歪みを整えることが必要なケースもあれば、必ずしも優先すべきでないケースもあります。
- 美容・見た目の観点 → 歪みを整えることで姿勢が良くなり、見た目が改善する
- 慢性的な痛みがある場合 → 歪みよりも、痛みの本当の原因(筋肉・神経・内臓・ストレスなど)を考えることも重要
人によって健康のレベルが異なるため、歪みの影響も個々で違うことを考慮しながら施術を組み立てる必要があります。
「ただ歪みを治す」のではなく、「本当に必要なケア」を患者様のニーズに合わせて提供する。
私が日々大切にしている考えになります。
皆さんも、自分の体の状態を見つめ直し、長期的な健康維持のために何が最適かを探してみてください!
KAIFUKU in 大 ~足、姿勢と自律神経の夙川総合整体院~
筋肉は ”柔らかいor固い” どっちがいいの?
皆さんは、美容院やマッサージなどで
「肩、かなり凝ってますね」
「腰の筋肉、すごく固いですよ」
と言われたことがある方も多いのではないでしょうか。
すると、「筋肉が固い=悪いこと」と、どこかで思い込んでしまいがちです。
たしかに、コリやハリといった症状は不快なものですし、柔らかくなった方が良いです。
ですが本当に、「筋肉が固い」ことは悪なのでしょうか?と、疑問を持つことが結果的に筋肉を良いコンディションに戻していくためには必要、ということについてお話したいと思います。
そもそも、体に無駄な反応はない
まず前提として、人体に起こる反応には、すべて何かしらの意味があります
。
筋肉が固くなるというのも、体を守り、バランスをとろうとする“適応反応”の一つ。
つまり、その固さにも理由があるということです。
• 骨格の歪みを補うために、筋肉が緊張して支えている
• 骨がもろくなり、それを守るように周囲の筋肉が固くなっている
• 関節が不安定で、そのぶん筋肉が支えようとしている
• 内臓に不調があり、反射的に関連する筋肉がこわばっている
• ストレスなどで交感神経が過剰に働き、全身的に緊張している
• 局所的な炎症をかばうために、筋肉がその部位を守っている
• 血液やリンパの流れが滞って、むくみによって筋肉が張っている
これらに共通するのは、「体が必要として、その固さを作っている」という点です。
筋肉の固さは、防衛反応の一つ
筋肉が固くなるというのは、体が自らを守ろうとする“防御のサイン”とも言えます。
つまり、「固さ=悪」ではなく、「固さ=体が正しく働いている証拠」である可能性を考える必要があります。
このような筋肉を、何も考えずに「ほぐしてしまう」と、かえって体のバランスを崩してしまうこともあります。
臨床でよくあるケースとしては、不安定な関節を筋肉が支えている状態で、それをゆるめてしまうと支えがなくなり、痛みやぐらつきが悪化することがあります。
ただし「間違った固さ」もある
とはいえ、すべての固さが“必要なもの”とは限りません。
体が受け取る情報に誤差が生じたり、脳が勘違いを起こすこともあります。
また、神経が過敏に反応していたりすることで、本来は必要ない筋肉の緊張が続いているケースもあります。
こうした“体の誤作動”に気づいてあげることがとっても大事になってきます。
「固い」は悪ではなく、“サイン”です。
ですから、「筋肉が固いですね」と言われたときには、
単純に「悪いこと」と決めつけるのではなく、
「なぜ今、この筋肉は固くなっているのか?」
という視点で体を見ることが大切です。
筋肉の固さは、今の体の状態を映す“鏡”のようなもの。
そこに意味があることを知ることが、より深く体を理解していくうえで必要です。