足の機能と自律神経について
足の機能が落ちてくると、思っている以上に全身へ影響が広がっていきます。
肩こりや腰痛でご相談に来られる方の中にも、実は足元の変化が原因になっているケースが少なくありません。
足の指が踏ん張れない、土踏まずが落ちている、体重が外側ばかりにかかっている、かかとからドスンと着地している。そうした小さな乱れが膝や股関節に負担をかけ、骨盤や腰の動きを乱し、やがて背中や肩の緊張につながるケースがあります。
足は体を支えるだけでなく、地面からの情報を神経を通じて脳へと伝える役割も持っています。そのセンサーが働かなくなると、膝や腰に負担が増えるだけでなく、バランスをとるために無意識に体幹を緊張させてしまい、自律神経が常に張り詰めたような状態になることもあります。すると疲れやすい、眠りが浅い、気持ちが落ち着かないといった不調まで広がってしまうのです。
また怖いのは、本人はなかなか気づけないという点です。年齢のせいだろう、体質だから仕方ない、と諦めてしまうことも多くあります。ただ、実際には足元の小さな乱れが引き金になっていることも多いのです。
当院では、まず歩行や足の動きを丁寧に確認し、必要に応じて足指の感覚を呼び戻すトレーニングや、アーチを支えるためのケア、体幹の安定性を高めるエクササイズなどを組み合わせていきます。
足元が変わると姿勢が変わり、全身のバランスも変わってきます。長引く肩こりや腰痛が「どこに行っても良くならない」と悩んでいる方ほど、まずは足から見直すことで改善の糸口が見えてくるかもしれません。