レントゲンで異常なしと言われた膝裏の痛み①
「膝の裏が痛くて病院へ行ったけれど、レントゲンでは特に異常がないと言われた」
このような経験をされた方は、少なくありません。
大きな骨折や骨の変形などがないかを確認するうえで、レントゲン検査はとても大切です。
一方で、
「異常はありませんと言われても、実際に膝は痛い」
という方もいらっしゃいます。
今回ご紹介する患者様も、膝裏の痛みを抱えていました。
特に気になっていたのが、
「階段を降りる時に膝が痛む」
という症状です。
このような場合、私たちはレントゲンの結果だけではなく、
「どこが痛いのか」だけでなく、「何をした時に、どのように痛むのか」
を細かく確認していきます。
膝裏が痛む原因は一つではありません
一言で「膝裏の痛み」といっても、原因は同じとは限りません。
膝の外側や後方には、
- 半月板
- 関節軟骨
- 関節包
- 筋肉
- 腱
- 靱帯
- 神経
など、さまざまな組織があります。
そのため、
「膝の裏が痛いから、ここが原因」
と痛む場所だけから単純に判断することはできません。
特に慢性的な膝の痛みでは、痛む場所と実際に負担がかかっている組織を分けて考えることが重要になる場合があります。
「いつ痛むのか」が大切なヒントになります
身体が教えてくれる情報は、「膝の後ろが痛い」ということだけではありません。
たとえば、
「体重をかけた時だけ痛む」
「筋肉を伸ばした時にはそれほど痛くない」
「膝が押し込まれるような動きで痛む」
「階段を降りる時に痛む」
など、動作によって症状が変化することがあります。
こうした違いは、膝のどの組織に、どのような負担がかかっているのかを考えるためのヒントになります。
レントゲンでわかることと、動作からわかることは違います
レントゲン検査では、骨折や骨の変形、関節の隙間など、骨を中心とした状態を確認できます。
これは非常に重要な情報です。
ただし、膝の痛みを考えるための情報はそれだけではありません。
たとえば、
- 膝を曲げ伸ばしした時
- 膝を捻った時
- 筋肉をストレッチした時
- 片脚に体重をかけた時
- 歩いた時
- 階段を降りた時
- 朝、ベッドから起き上がった時
それぞれで症状がどう変わるのかを確認すると、レントゲンとはまた違った情報が得られます。
つまり、
画像検査と身体の動きは、それぞれ違う情報を教えてくれている
ということです。
「痛い」を細かく翻訳していく
患者様が感じている「痛い」という感覚は、とても大切です。
ただ、「膝が痛い」という言葉だけでは、まだ情報が大きすぎます。
そこで私たちは、
「荷重した時はどうですか?」
「伸ばした時はどうですか?」
「押し込まれた時は?」
「階段を上る時と降りる時では違いますか?」
と、一つずつ条件を変えながら確認していきます。
そうすることで、
「膝が痛い」という大きな情報を、身体が出している小さなヒントに分解していく。
私はこの作業を、身体の言葉を「翻訳する」ようなものだと考えています。
レントゲンで異常がなくても、身体にはヒントがあります
「レントゲンでは大きな異常はありません」
これは大切な検査結果です。
しかし、それだけで「痛みの原因がない」という意味になるわけではありません。
どの動きで痛むのか。
どのような力が加わると痛むのか。
体重をかけるとどうなるのか。
歩き方はどうなっているのか。
こうした身体から得られる情報を一つずつ確認することで、痛みの背景が少しずつ見えてくることがあります。
今回の患者様についても、こうした確認を進めていくことで、膝裏の痛みについてさらに重要なヒントが見えてきました。
次回は、実際にどのような検査を行い、膝裏の痛みの原因をどのように絞り込んでいったのかをご紹介します。
②へ続きます。





