歩くとき、足の指を意識しすぎると起こる弊害について
「歩くときは、足の指で地面を蹴りましょう」
とよく言われます。
実際、足の指がうまく使われていると、
歩行や走行が軽くなったり、
身体への負担が分散されやすくなるのも事実です。
ただ、あえて“蹴ろう”としたことで、かえって身体の使い方が崩れてしまうことがあります。
足の指で蹴ろうと意識すると、
・指を強く曲げる
・足裏で地面をつかもうとする
といった動きが出やすくなります。
この状態では、
・足首が固まる
・膝が伸びきる
・骨盤の動きが止まる
そして、
・アキレス腱
・膝
・腰
に負担が集まりやすくなります。
「足のためにやっているつもりが、
別の場所を痛めてしまった」
というケースも、決して珍しくありません。
もう一つ、見落とされがちなのが歩く感覚が悪くなるということです。
少し抽象的な表現になりましたが、
蹴ることを強く意識すると、
・正しくできているか
・ちゃんと蹴れているか
と、注意が外側に向きやすくなります。
その結果、
・足裏の細かな感覚が分かりにくくなる
・体重移動の感覚が薄れる
・動きがぎこちなくなる
といった変化が起こり、
身体が本来持っている調整力が働きにくくなることもあります。
当院が「無理に蹴らなくていい」と考えている理由
足の指で地面を蹴ること自体は、
歩行や走行にとって、確かに大切な要素の一つです。
ただ当院では、それを
・意識して作る動作
ではなく
・身体全体が前に進めているときに、自然と起こる結果
だと考えています。
蹴れないときは、
「足の指が弱い」のではなく、
・体重移動がうまくいっていない
・足首や股関節の動きが制限されている
・体幹が安定していない
といった前提条件が整っていないことがほとんどです。
まとめ
足の指で地面を蹴ることは、大切です。
ただし、
・無理に意識して蹴ろうとすると
・かえって力みや負担を増やしてしまうことがある
という点には注意が必要だと感じています。
当院では、
「蹴ろうとしなくても、自然に蹴れてしまう身体」
を目指すことが、
結果的に一番安全で、効率的だと考えています。




