マットレス選びから考える体の健康
先程、患者様からマットレスの選び方についてご質問いただいたきましたので、回答もかねて私が考えるマットレスの合う合わないと、そこから見えてくる体の評価について考えてみました。
結論から言うと、
僕自身はマットレス選びで最も大きな影響を与えるのは 「関節の柔軟性」だと考えています。
ここでいう柔軟性とは、ストレッチの可動域だけではなく、 軟骨の状態、骨の変形、関節周囲の拘縮(こわばり)など、 関節そのものの“若さ”が関係してくると考えます。
特に硬めのマットレスで寝る場合、
・寝ている間に関節の微細な動きが必要になる
・体圧を分散するために、体が自ら動く仕組みになっている という特徴があります。
これは体が元気な人にとっては良い刺激になりますが、 関節が固くなっていたり、体が自体が炎症初期に近いような状態、ないしそのような状態が持続しているような体質の方にとっては、痛みを増幅させ、治癒を遅らせる場合があると感じます。
そうなると、
・若い方 → 硬めのマットレスに適応しやすい
・年齢を重ねた方 → 柔らかめの方が体に合いやすい という風に考えることができ、
実際に臨床でもその方が楽になる患者様が多くいらっしゃいます。
ただその一方で、固いマットレスでもとっても調子が良い高齢者の方がおられまして、私はここがとっても大事なポイントだと思っています。
何が言いたいかというと、単純に固いマットレスで寝ることで健康になると考えるのではなく、なぜ固いマットレスで身体が元気になるのかということについて、マットレス側の問題だけにするのではなく、皆様の体の問題についてもっと考える必要があるということです。
よく高齢者がお肉(たんぱく質)をとらないといけないといわれますが、それも同じです。なぜお肉を食べると元気になるのか?食べて元気がなくなる人はいないのか?あなたはお肉を食べると元気になるような状態なのか?について考えなければいけないと思うのです。
同じようなことは他にもいっぱいあります。
「コルセットはした方が良い?悪い?」
「筋トレは健康に良い}
「水は2リットル飲んだ方が良い」
「ダイエット、糖尿病と糖質制限」
「プロテインの摂取について」
「コーヒー1日3杯で健康」
「足がむくむのは塩分」
「正しい姿勢は背筋が伸びていること」
「ストレスは万病のもと」
すべて同じように考えることが大切だと思っています。
話が脱線しましたが、まとめると、
マットレス選びで大切なのは、固いほうが健康に良いと決めつけるのではなく、「現在の身体の状態」にマットレスを合わせることからはじめていき、変わっていく体の状態に合わせて選び治すことです。
逆に僕の治療の目的のひとつが、少し固めのマットレスが合っている状態を作るために体をコンディショニングすることでもある とも言えます。
マットレス選びで迷っている方は まずは、「有名人が使っているから」「人から良いって聞いたから」でもいいのですが、なぜそのマットレスが楽なのか?しんどいと感じるのか?を考えてみてください。きっとそれが健康へ一番の近道になるはずです。